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TopNoteアート・フレームワーク展覧会『太陽の塔』ー(1)

展覧会『太陽の塔』ー(1)

『太陽の塔』は岡本太郎さんがデザインし、1970年に開催された日本万国博覧会のシンボルゾーンにテーマ館の一部として大屋根、母の塔、青春の塔とともにつくられました。万博が閉幕し塔自体の永久展示が決まった後も、その内部は長く閉ざされていました。その太陽の塔が耐震工事の実施とともに内部を復元し、48年の時を経た今年、2018年3月に甦りました。

今秋、あべのハルカス美術館でも展覧会『太陽の塔』が開催されていました。(現在は終了しています)

『太陽の塔』の構想段階から完成、再生事業まで網羅されており、とても丁寧に紹介されていました。万博という人類の祭りに岡本太郎が問いかけたものの根源とは?『太陽の塔』の内包するものとは?太郎さんの芸術、感性、魂を体感する展示会でした。



会場では万博閉幕後に失われた展示空間が、細密な模型やジオラマで再現されており、テーマ館全体の根源を表現した地下展示が追体験できました。

カジュアルな姿で制作に打ち込む太郎さんを再現した像のあるこちらのスペースでは、万博のテーマ「人類の進歩と調和」について語るご本人の声が流れていました。画像の背後に見えているのは太陽の塔、構想中のエスキースです。

要請を固辞し続けていた万博テーマプロデュサーを受諾し、就任会見を開いたのが1967年7月7日。ところが翌日の8日には、2か月に及ぶ中南米への取材旅行に出発してしまったとか。でもその旅のあいだに太陽の塔のエスキースを繰り返し、帰国時にはほぼ完成形に到達していたそうです。


生命の樹、太陽の塔、青春の塔、テーマ館の全体模型に数々の習作。壁に当時の映像を投影した説明などもあり、視覚、聴覚、想像力の刺激される展示で飽きることなく見入ってしまいました。

テーマ館の全体模型

テーマ館といってもパビリオン館と呼ばれる建築があったわけではなく、調和の広場がある地上、地下、空中の三層にわたる展示空間と、中心となる太陽の塔で構成されていました。塔の内部は地下展示と空中展示をつなぐ動線の役割を果たし、高さ約41mの〝生命の樹〟が生命の進化の過程を示す展示空間でした。

 太陽の塔、青春の塔、母の塔がある広場では、現代のエネルギーをテーマに人間の生き方の多様性、素晴らしさ、尊厳を表現。太陽の塔に向かって右が青春の塔、左が母の塔です。母の塔にはエスカレーターが組み込まれ、人々は空中展示を観覧した後、調和の広場へ降りてきました。
空中展示は丹下健三氏デザインの大屋根(南北292メートル、東西108m、高さ約40m)の中に。未来の空間をテーマに、人間を尊重する未来都市の姿を表現。 地下展示では生命の神秘をテーマに、進歩や調和の根源にある混沌とした原始的な体験を表現していました。


大屋根を突き抜いてそびえたつ『太陽の塔』は過去、現在、未来を貫いて生成する万物の象徴であると同時に、生命の中心、祭りの中心を示し、高さ約70m、腕を左右に大きく広げて会場を訪れた人々を迎えていました。当時はまだ子供でしたが、周りの誰もがワクワクとした高揚感、熱気に包まれていたのを覚えています。

会場は東京ドーム約70個分の面積

地下展示全体模型

テーマ館は地下展示「過去:根源の世界」からはじまり、展示は大きく<いのち><ひと><いのり>の3ゾーンで構成され、それらを順に巡って太陽の塔の中に入りました。地下展示は万博閉幕後に撤去され埋め戻されてしまったために、いまではわずかな写真でしか当時の様子をうかがい知ることはできませんでしたが、その全貌を3次元で俯瞰しようと、縮小モデル化を試み制作されたそうです。

ジオラマで再現された地下展示空間など…
展覧会『太陽の塔』-(2)はこちらです

そして、もう一つの目玉となる展示が、万博閉幕後に解体保存されていた初代黄金の顔です。

初代黄金の顔の展示

1992年から93年にかけて、太陽の塔が大規模な改修メンテナンスを受けた際に黄金の顔が交換されました。薄い鉄板でつくられていたので、そのままでは腐食が避けられないことから、ステンレス版の二代目黄金の顔に取り替えられたそうです。今回の展示は倉庫に保管されていたオリジナルの鉄板169枚を当時のままに組み立てられています。直径は10.6m。展示の向こう側で撮影している人影でその大きさがわかります。


繊細で緻密な3Dジオラマ展示とは真逆の黄金の顔のスケールの大きさが好対照をなしていました。


あべのハルカスのすぐ近くにある大阪市立美術館では、ルーブル美術館展が開催されていましたのでこちらにも足を延ばして❤

LOUVRE ルーブル美術館展
肖像芸術-人は人をどう表現してきたか

肖像画の持つ役割やコードとモード(表現上の伝統的なルール、流行や時代性)に則った表現方法など、ルーブル美術館の膨大なコレクションの中から肖像芸術にしぼって焦点を当てた興味深い切り口の美術展です。展示室ごとに作品にふさわしい壁の色に変えられているのも見ごたえがありました。


こちらは2019年1月14日まで開催されています。


幸せな住まいづくりのためのささやかな覚書き
―Note Felice―
お読みいただきありがとうございました

インテリア、リフォームのカーサフェリーチェ
(名古屋市名東区)