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TopNoteアート・フレームワーク民次さんの壁画・名古屋

民次さんの壁画・名古屋


画像は名古屋の新栄にあるCBC会館(中部日本放送本社)の外壁を飾る大理石のモザイク壁画『芸術と平和』です。1959年の作品で原画は反骨の画家と呼ばれた北川民次さん。制作は洋画家の矢橋六郎さんほか。矢橋六郎さんは全国に数多くの素晴らしいモザイク壁画を残されています。


中央には羽根ペンとインク壺を抱えて座り、きりっとした瞳でなにかを見上げる女性。


その右側には平和を象徴する鳩を手に踊る女性たち。


左側の女性は楽器やコンパス、定規、絵筆などを手にしています。絵筆の先には民次さんが晩年、繰り返しモチーフとしたバッタの姿も。


CBCは日本で最も古い民放局だそうです。そのビルの外壁を飾るこの『芸術と平和』高さは6.8m、幅16.6mほどもある大きなもの。報道や表現の自由を追求する放送局の理念や矜持を感じます。



こちらも北川民次さん原画の壁画『TOMATO』、縦約3m×横約15mもある大きなもので、中区錦三のカゴメ本社ビルのエントランスを飾っています。1962年にビルと同時に完成したそうです。


南米原産のトマトが日本で食べられるようになったのは明治以降ですが、当初はその青臭さからイマイチ普及しなかったようです。トマトの素晴らしさやものづくりの姿勢を伝えるために、多くの人の目に触れるこの場所に設置されたとか。


カゴメさんはトマト製品のメーカーだけにトマトの表現には拘られたそうですが、瑞々しく美味しそうなトマトと穏やかな母子像が印象的です。


壁画の制作には建造物の構造的な制約だけでなく、スポンサーの意向など様々な難しさがあると思いますが、この画にも労働者の活き活きとした生活の営みや生産の美が、光に満ちた世界の中で清らかに表現されていました。


こちらにも原画にはいないバッタが。バッタはメキシコで生命力の象徴、民次さんの自画像ともいわれているそうです。


こちらの記事とWikipedia参照